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それにしても二人共、話を聞くと中々に度胸のある行動力である。
暫くの沈黙を終えてから形南は「他に気になる事柄は御座いませんか?」と尋ねてきた。嶺歌にはもう疑問点はなかった。
流石にいるかも分からない魔法少女を探すために執事に見つけ出させる行為は明らかに常軌を逸しているが、それは単なる感想であり疑問ではない。
嶺歌は首を振って質問がない事を告げると形南はにっこりと可愛らしい笑みを向けて自身の両手を合わせた。
「それは何よりですわ。また気になる事がありましたらお気軽に尋ねてくださいましね」
すると彼女の言葉と共に嶺歌はある事に気がつく。いつの間にか車は停車し、窓の向こうには己の住んでいるマンションが見えていた。気が付かない内に到着していたようだ。
「こちら、私の連絡先ですの。ご登録いただけると嬉しいですわ」
そう言って形南が手渡してきたのは高級そうなメモ用紙だった。メモの端に金箔が散りばめられている。確実に高価な用紙なのだろう。
嶺歌は無礼を働かないようゆっくりそれを受け取ると途端にガチャリと車のドアが開けられる音が耳に響く。
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