第二十四話『誤解して先走り』

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「お、はよう」 「おはよ」  学校へ到着するとなぜか平尾に待ち伏せされていた。  彼はたどたどしい視線をこちらに向けながら「ちょっといいかな」と声を漏らす。 「朝は日直だから休み時間でいい?」  嶺歌(れか)は率直にそう告げると彼は「じゃあ昼休みに裏庭来てほしい」と言葉を返してきた。  彼が何の話をしようとしているのかは全く見当もつかないが、土曜日に形南としたデートの感想を聞いてみたいとは思っていた。さりげなく聞いてみよう。  そう思いながら午前の授業を受けた。 「それでどうしたの?」  昼休みになると嶺歌は友人からの誘いを断り一人裏庭へと行く。  そして目的の場所には既に平尾が立って待っていた。今ここに他の生徒はおらず、嶺歌と平尾の二人だけであった。  嶺歌が単刀直入に言葉を投げかけると平尾は小さく言葉を漏らし始めた。
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