第一話『謎のお嬢様』

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第一話『謎のお嬢様』

 和泉(いずみ)嶺歌(れか)は早朝四時に起き上がると自身の魔法アイテムである透明ステッキを手に取り、いつもの様にそれを振るう。  そうするとあっという間に人間であった姿は煌びやかな魔法少女の姿へと変身し、普段はミディアムヘアである萱草色(かんぞういろ)の髪の毛も変身と共にロングヘアに伸び、カラーも茶髪へと変色する。  気持ち程度に髪の先に残った萱草色の髪の毛は一種のアクセントとなっていた。  大胆に施された赤い大きなリボンはチュール素材の透明なリボンと重なり合い、サイドテールの結び目にしっかりと結び込まれ、もう一つの赤いリボンがサイドテールの周りを囲むように毛先にかけてくるくると巻きつかれる。  それに加えフリルたっぷりの衣装に魔法の力で化粧が施された嶺歌の姿は控えめに言っても(まばゆ)いほどの美しさと可憐さを放ち、それを嶺歌自身も気に入っている。  嶺歌は、自分が魔法少女である事に誇りを持っていた。
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