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「それでは早速入場口へ行きましょうですの!」
形南は興奮した様子で頬を赤らめてそんな言葉を口にする。
平尾と一緒にいる形南をこうして間近で見るのは何だか新鮮だった。
嶺歌はそうだねと頷きながら無意識に兜悟朗を意識している自分を自覚する。とりあえず、今は遊ぶ事に集中だ。
そのまま四人で入場口まで歩きスタッフにチケットを確認してもらう。チケットは用意のいい兜悟朗があらかじめ人数分を購入してくれていた。
形南としては嶺歌や平尾の分は奢りたいという思いがあったようだが、今回はこちらの意向を汲んでくれたようで自費で出す事になっている。
それは嶺歌にとっても嬉しい事で、きっと平尾としても安心しているところであろう。
以前平尾と話をした事を思い出しながら嶺歌はそんなことを思い、足を進めた。
第二十五話『初恋が来る』終
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