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長くも短い観覧車を降りると形南と平尾がこちらに向かって歩いてくる。
二人とも楽しそうな表情をしており、今回のダブルデートを心から楽しんでいるようだった。そう感じ取ることが出来、嶺歌は嬉しい気持ちになる。
それから解散の時間になり、それぞれ電車で最寄り駅まで同行する事になった。
全員の家はそこまで離れていないが、それぞれ数駅ずつ最寄りの駅が異なっている。
嶺歌は一番早く自分の降りる駅に到着し、電車の中から手を振る三人に手を振り返して電車を降りた。
数秒、兜悟朗と目が合い、彼の優しげな笑みを見て嶺歌の心は激しく波打ちはじめる。それを悟られないようにと取り繕いながらその場を後にしていた。
だが同時に、彼と最後視線が合った事を喜んでいる自分もいた。
本当に兜悟朗という一人の男性に恋をしてしまったのだと改めて実感したそんな夜だった。
第二十六話『ダブルデート』終
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