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第二十七話『報告と苗字』
「あれな、あたし兜悟朗さんの事好きになっちゃった」
『まあ!!!!!!!』
翌日の放課後、形南に電話がしたいのだと事前にレインを入れておいた嶺歌は、彼女から電話がかかってくるとすぐに兜悟朗への想いを形南に告白していた。
形南からは一瞬の間も無く感嘆の声が返ってきており、彼女は心底嬉しそうな声色でこちらに言葉を送り始める。
『私とっても嬉しくってよ!! 今とても自分の事のように胸がドキドキしますの!!!』
本当に自分の事のように喜んでくれる形南を嶺歌は嬉しく思った。同時に良い友達を持ったと再認識する。
嶺歌は照れながらもありがとうと言葉を返すと自身も胸を弾ませ、そのまま言葉を続けた。
「今度詳しく話聞いて欲しいんだけど、いつ空いてる?」
嶺歌がそう尋ねると形南は興奮した様子ですぐに返答してくる。
『そのような事態、急いで時間を取りますの!! そうですわね、明後日でしたらお時間取れましてよ!』
形南はこちらの話に興味津々だ。それがまた嬉しく、嶺歌は思わず笑いが出た。形南の真剣に聞こうとするその姿勢がとてつもなく幸福な事に感じられたのだ。
そして形南にとって誇り高い執事との恋を、迷う事なく応援してくれるその姿勢がまた嬉しいと思えていた。
嶺歌は形南にじゃあその日にしようと返事を返すとそのまま通話を終える。
気持ちは先程よりも高揚しており、嶺歌は家に帰るとすぐに魔法少女活動に精を出して、己の喜びを慈善活動に奮うように動いていた。
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