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すると嶺璃は嬉しそうに笑顔を見せながら「えーっ! れかちゃんのお友達と会いたいっ! 嶺璃そうしたい!!」と口にした。
「いいの? 無理しなくていいんだからね?」
「全然無理してないよ! わたしれかちゃんの友達も大好きだもん! ちなみに会ったことある人?」
「こみだよ覚えてる? 去年うちに来たかな」
「あっこみちゃん覚えてるよ!!! わーい!!! 会いた〜い!!!」
嶺璃は取り繕った様子もなく本気で嬉しそうにそう声を上げてるため、嶺歌もそのままスマホを取り出し古味梨に行けるよとレインを送る。
すると直ぐに彼女の方からも返事が返ってきて、明日の夏祭りの約束が決定された。翌日は夕方の四時、駅前に集合だ。人数は古味梨の他にも数人の女の子が来るようだ。
(一年ぶりの浴衣かあ)
嶺歌は着付けが得意だ。そのため明日は嶺璃と自分の分を着付けする予定である。明日のイベントに気持ちを高鳴らせながらもほんの少しだけ、欲張った考えを頭に思い浮かべる。
(兜悟朗さんにも見て欲しかったな……)
彼はきっと柔らかな笑顔でお似合いですねとそう口にしてくれるのだろう。
嶺歌はそんな妄想をしながらも、翌日の準備を始めてその日を自宅で過ごしていた。
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