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嶺歌は子春をリビングのソファに誘導すると彼女はぶつぶつ言いながらもソファの上に腰掛ける。
そんな彼女と対面する形で、嶺歌も手前の椅子に座るとそのまま彼女に目線を向けた。
すると子春は低い声を出しながらこんな言葉を放ち始める。
「貴女の普段の行いをご家族にも教えてやろうと思ったのよ……高円寺院家にどれだけの迷惑を掛けて、貴女がどれだけ身の程知らずな存在なのか……」
「まーだそんな事言ってんですか」
嶺歌は眉根を寄せながら子春に向き合う。そうして彼女に言葉を放った。
「あなたがしてるのは犯罪ですよ? ストーカー行為に迷惑行為。警察に訴えてもいいんですけどね」
嶺歌がそう言うと子春は「ハッ!」と小馬鹿にしたような笑いを向けてこう返してくる。
「貴女のようなお子様のお話を警察が信じるとでも? 私のアリバイは完璧ですよ? 盗聴器だって録音だって貴女が今していないのは分かった上で行動してるんですからね」
呆れた発言だ。自分の非を認めているもののそれを開示される心配はないと本気で信じている。盗聴器や録音などなくても嶺歌にはいくらでもその方法があるというのに。
「あのですね、あたしもあなたが来てから色々調べてみたんです」
「……?」
嶺歌は、余裕たっぷりにソファに腰掛けこちらに敵意を向ける子春に対して新たな一手を繰り出し始めた。
「子春さん、あなたここ最近の行動がおかしいくらいストーカーなんですよ」
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