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第四十一話『海』
長期休暇である夏休みの宿題を終えた嶺歌はそれ以降、魔法少女活動を続けながら友人と遊ぶ日を繰り返し夏休みを謳歌していた。
そしてあっという間に夏休みの最終日がやってくる。嶺歌はこの日を今か今かと待ち侘びていた。
(兜悟朗さんにようやく会える)
あれ以降会う事は勿論、連絡すら取っていない嶺歌は彼と何かしらのことをできるという事実に喜びを隠せずにいた。
家では終始口元が緩み、母からは訝しげな目を向けられたりもした。だがそれほどまでに嶺歌の心は天にも昇る思いであったのだ。
(そういえば平尾も来るって言ってたな)
形南と長電話をしたあの日、平尾も誘っていいかと相談をされていた。もはや断る理由はない。
今度こそ形南と平尾がくっつくチャンスなのではないかと思う。
嶺歌はすぐに了承すると形南も嬉しそうに喜んでおり、お互いにとっての大切な日となるであろうその日を楽しみにしていた。
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