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平尾が合流してから車で約一時間程が経過すると、目的地である有名なビーチに到着する。
今回は貸切ではなく、一般人もたくさんいる。きっとこれらも形南の平尾に対する配慮なのだろう。
一旦兜悟朗と平尾とは別れ、形南と二人、女子更衣室へと入っていく。形南はニコニコした様子でとてもご機嫌な笑みを溢していた。
「平尾様の水着姿……とても楽しみですの」
それを聞いて嶺歌も兜悟朗の水着姿を思い浮かべる。
しかし兜悟朗が主人である形南がいる手前、肌を露出させる図が想像できなかった。もしかしたら何か羽織ってくるのではないだろうか。
(いやでもそれもめちゃいい……)
想像した兜悟朗の姿はどのような格好であってもときめかない理由にはならない。嶺歌はどんな姿の兜悟朗でも絶対に見た瞬間格好いいとそう思ってしまう。それはここ最近で確信した事でもあった。
(本当、ほの字一択なの我ながら凄いな)
そう事を考えながら僅かに赤らんだ顔を振り払っていると、形南が陽気な笑顔で嶺歌に問い掛けてきた。
「ねえ嶺歌、水着はどのようなものをチョイスなさったの?」
「あたしはこれ」
そう言って脱ぎかけの衣服を全て脱ぐと予め着ていた水着が出てくる。形南はまあ! とそのことに驚いた様子を見せ、再び口を開いた。
「そのような着用法がありましたのねっ! とても楽でよろしいですわね! 私も今後はそのようにしますの!」
「楽でいいけど、下着忘れるのあるあるだから気をつけてね」
嶺歌が苦笑しながらそう言うと形南も気をつけますわとくすくす笑い出す。そうして形南は話題を戻してきた。
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