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そんな会話を交わしながら形南と準備を整え、二人で揃って集合場所へと向かう。
そこには既に兜悟朗と平尾の姿があり、兜悟朗は予想通りに水着の上からシャツを羽織っており、胸元はボタンを掛けた状態で隠され、露出が控えめになっていた。
しかしいつもの兜悟朗の姿よりは遥かに露出のあるその格好は、大人の色気がどことなく漂っており、胸元から僅かに見える鎖骨や、チラリと見える筋肉が嶺歌の鼓動を加速させる。
(や、やば……かっこよ…………)
思わず顔を覆いたくなるほどの衝撃を受けた嶺歌は、咄嗟に顔を逸らして海を見渡すふりをした。
すると兜悟朗は柔らかく微笑みながら三人に向けて言葉を掛けてくる。
「ご準備お疲れ様でございます。私はこちらでお荷物を見ておりますので、皆様ご安心して海を満喫なさって下さいませ」
「ええ、任せましたの。平尾様、嶺歌! 参りましょう!!」
形南は兜悟朗にそう一任する言葉を告げると、嶺歌と平尾の腕を両手で引っ張っていき、そのまま海の方まで足を動かす。
嶺歌は兜悟朗のことが気になったものの、ずっとそばにいるのも気持ちがバレる要因となるだろう。
まだ自身の思いを彼に告げる勇気がないため、嶺歌は兜悟朗とは少し間を置いてから話そうと思い直し、形南と平尾の三人で海を楽しむのであった。
第四十一話『海』終
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