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第四十八話『本音』
兜悟朗との放課後デートはとても充実した一日となり、映画の後も穏やかな彼と終始和やかな雰囲気で会話をする事が出来ていた。
そして帰り際に、兜悟朗はまた嬉しい言葉を述べてくれていた。
『本日はとても楽しく過ごさせて頂きました。どうかまた、お付き合い頂けますと嬉しい限りです』
そう言って綺麗な一礼を見せた彼は、最後の最後まで嶺歌の鼓動を加速させていた。
(さいっっこうだった………)
昨日の余韻に浸りながら嶺歌は朝を迎える。そして日課である魔法少女活動をする為布団から出てすぐに変身を始めた。
「おねえちゃん起きてる?」
すると途端に自室の扉がノックされる。
嶺歌はその嶺璃の声に反応して瞬時に変身を解いた。この時間に嶺璃が起きているのは珍しい。
「起きてるよ、入っていいよ」
嶺歌がそう言うと嶺璃はガチャリと扉を開ける。
こちらが合図するまで勝手に入ってこない嶺璃は我が妹ながらによくできた子だ。
嶺歌はおはようと笑みを向けると嶺璃も満面の笑みを向けて「おはようっれかちゃん!」と声を発した。
それから嶺璃は嶺歌が座っているベッドの方まで歩いてくるとそのまま隣にちょこんと座る。嶺歌がどうしたのか尋ねると嶺璃はあのねと言って話を切り出してきた。
「昨日聞いちゃったの。お母さんとお父さん、れかちゃんの恩人さんを晩御飯に招待するって」
「えっ!?」
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