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翌日は形南と平尾が遊ぶ約束を交わしている日だ。
嶺歌はお節介だとは思いながらも二人のデートが気になっていた。
(そろそろどっちか告白しないのかな)
そう思いながらもしかしそれを促すのは違うと分かっている。
二人には二人のペースがあり、嶺歌が催促するものではない。嶺歌はもどかしい思いを再び感じながらもそれと同時に自身の兜悟朗への気持ちも一緒に重ねていた。
そしてそこで完全に兜悟朗への気持ちに頭の中が切り替わる。
(兜悟朗さん……告白、したいなあ)
彼に一人の男性として好きなのだと想いを打ち明けたら、兜悟朗はどんな反応を見せるのだろう。困惑した顔をされたらと思うと怖くてたまらない。
だがもしかしたら笑顔で応えてくれるのではないか。
そんな願望のような想像をしてはみるものの、現実的ではないとすぐにその考えは改めていた。
第四十八話『本音』終
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