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兜悟朗との放課後の時間がとても充実感で満たされ、嶺歌は帰宅してからもその幸せを噛み締めていた。
彼と二人きりで過ごす時間が増えている事に喜びを感じながら兜悟朗の顔を鮮明に思い浮かべる。
(大好きです……)
目を閉じて彼に心の中で告白をする。
瞼の中に映る兜悟朗は優しく微笑みながら、光栄で御座いますと口にして綺麗な一礼を返してくる。最近はそんな妄想をする事が増えていた。
予想外な事に兜悟朗はそれ以降も高頻度で嶺歌に会いにきてくれていた。
しかしあの日以降は、突然校門前に現れるという事はなく、今朝の内に必ず兜悟朗本人からレインで連絡が入るようになっていた。
嶺歌は意中の相手からのレインに胸を高鳴らせるのと同時に、お誘いまでもらえるというまるでご褒美のような二点セットがとても嬉しく、毎日のように兜悟朗とのやり取りを見返している程だった。
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