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第八話『招待』
『嶺歌! 試験お疲れ様でございますの! ねえ明日、私の家でお疲れ会をするのはどうかしら?』
互いのテストが無事に終わり、嶺歌は早速形南と通話をしていた。そんな時、形南から唐突にお誘いを受ける。
「楽しそうやりたい! でもあれなの家って超有名でしょ!? 一般人を招き入れるのって有りなの?」
高円寺院財閥といえばとてつもなく大きな規模の家であり、テレビでも何度か外観を目にした事があった。言わば有名なお屋敷なのだ。そんな家に嶺歌が立ち入っても良いのだろうか。
嶺歌は決して自分を卑下している訳ではなく、形南の存在があまりにも大きすぎるが故に身の程を弁えているのである。しかしそんな嶺歌の心配とは裏腹に形南は当然のように『勿論ですわ!!』といつも以上に声を張り上げて返答する。
『嶺歌は私の大切なお友達ですもの! 私の家に招き入れない理由がありませんの!』
「あはは、あれなって友達思いだよね。ありがと。じゃあお言葉に甘えて遊びに行くね」
『ええ、そうして下さいまし。当日は貴女のご自宅までお迎えに参りますの』
形南の言葉を素直に受け取った嶺歌はそのまま礼を告げると会う日に何をするかを話し始めた。そしていつの間にか時間は夜中の十二時を回り、充実な時間はあっという間に過ぎ去っていった。
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