アルフィー

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アルフィー

そして今年25歳になり、サンタ業の前に誰も見られないこの大聖堂の屋根に登り、1人クスリスマスイブを過ごしていた。 遠くの空をホウキに乗り飛んでいた魔法使いの美青年が、私の姿を見つけると目の前に飛んで来た。 赤い三角の帽子に金色のパーマヘアの短髪で、赤い服の上下を着た男が私に声をかけた。 「レイラ、どうしたんだこんな所で?お前の家に行ってもいないから探したんだけど……?」 「クリスマスイブだから皆んなの幸せそうな雰囲気を味わってた。アルフィーこそ何か用?」 私は、自分の心と反対の事を言った。自分だけが不幸だと思っているなんて知られたくなかった。 私は小さい頃に両親が事故で亡くなり施設に入った。アルフィーとはその施設で出会った。 アルフィーは、私よりも3歳年上で、昔から私が困っているのをすぐに見つけ出し話しを聞いてくれていた。何でもスマートにこなすし、気配りもできる人だった。 「レイラ……」 「何?」 アルフィーはいつもと違い挙動不審にそわそわしている。私はアルフィーが返事をしないので、強めにもう一度聞いた。 「アルフィーどうしたの?」 「明日クリスマス俺の家でしない?」 「え?」 アルフィーの思いがけない言葉に声が漏れた。 アルフィーは私の返事を急かすようにじっと見つめてくる。 「大丈夫かな。そーいうのあたししなくても平気。もう子供じゃないからあたしの事心配しなくてもいいよ。アルフィー彼女とクリスマスしたら?」 アルフィーの表情が、一瞬崩れた。 「彼女いないから。レイラとクリスマスしたかったから誘った。迷惑だったならごめん」 アルフィーは1人そのままホウキに乗り飛んで行った。取り残されたレイラは、何だか居心地が悪かった。 始めてみたアルフィーの一瞬崩れた表情が忘れられず頭から離れなかった。
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