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夢の中
レイラは疲れて眠っていたが遠くで自分を呼ぶ声が聞こえた。
「レイラ。そんな所で寝てると風邪ひいちゃうわよ」
1人暮らしのレイラの部屋に他の人が居るはずもないが女の声がする。
「レイラは甘えん坊だったからな。抱っこしてベッドに連れていってほしいんだろ?」
今度は明るい男の声がした。女の人は男の提案にくすくす笑いながら同意している。
寝ているレイラの頭の思考回路では答えがでず、重い瞼を少しだけゆっくり開けた。
男と女が笑いながら話している姿をみて、目を見開き身体を起こした。
「お母さん!お父さん!」
私の声に驚き2人はレイラの方を見て、微笑んだ。
私は、勢いよく両親の側までかけより母に抱きついた。
父も母も私を抱きしめてくれた。
「久しぶりね。レイラは大きくなったわ。美人になった」
「お母さん……会いたかった。私ね2人が死んでからずっと1人で頑張ったんだよ」
レイラは今までを振り返ると孤独が蘇り、涙が溢れてきた。母は、レイラの背中をさすり頭にキスを落とす。
「レイラは頑張って偉いよ。1人にしてごめんね……」
母も思いがけない事故でのレイラとの分離で、母として無力な自分へ涙が止まらない。
父は涙を流す2人を見て、2人を再び抱きしめる。
「レイラ。レイラは頑張ったからこんなにステキなレディになった。姿はみえなくてもいつでも私達は近くにいるし、君の幸せを願っている。レイラは頑張ってきたんだから、幸せになっていいんだよ?恋でも夢でも好きな事をおいかけていいし、チカラを抜いて生きていいんだ。がんばる必要はないよ。充分頑張ってきたんだから楽しく幸せに生きて……」
レイラは亡くなった両親と再会し、自分だけが孤独や寂しさを感じていたわけじゃなく両親もまた自分と同じ気持ちや運命に抗えない辛さなどを感じていた事を知った。
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