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レイラは、不幸せだと感じていた昨日の自分を思い出し恥ずかしくなった。
「お母さん、お父さん。私、自分が1番不幸せだと思っていたけど違った。お母さんもお父さんも私をこんなに愛してくれていたのを思い出した。1人の時間が長すぎて卑屈になっていたみたい。久しぶりに会えたし、お父さんとお母さんに愛を貰ったからもう大丈夫」
両親は顔を見合わせまた涙を浮かべ、レイラを抱きしめた。
「レイラ……レイラは今まで1人で頑張ってきたけど、人は1人では生きていけない。誰かに必ず助けてもらったりしているはずだから。周りの人への感謝も忘れないで」
「お母さんわかった……」
「レイラ、そろそろ時間だ。私達は帰らないといけない」
「嫌だ……嫌だ……」
私は、ずっと一緒にいられないなんて頭ではわかっていたが、それでもこの再会が嬉しくてわがままを口にした。握った両親の手にチカラを込める。
「レイラ……私達を出会えるようにしてくれたのは、アルフィーのクリスマスの魔法だよ」
私は予想外の言葉に父の顔を見た。
確かにサンタ業の途中にアルフィーの魔法で、私の周りがキラキラしていた。
クリスマスの魔法は、その人に今1番必要なものが与えられる魔法だ。
アルフィーは街全体にかけていたと思っていたが、よく考えれば昨日の自分を見て、私に魔法をかけたのだろう。
父に言われないと気がつかなかった。
百面相の私の顔を見て、両親は微笑んだ。
「レイラ……1人じゃないんだよ?」
両親の手をチカラを込めて握っていたが、チカラを緩める。
両親はもう一度抱きしめてくれた。
もうお互い涙はなく笑顔だった。
「また会える?」
「当たり前よ…私達の娘だもの」
「いつも近くにいるからね」
両親はだんだん薄くなり最後はキラキラした光か残存し、そしてゆっくり消失した。
私はまたソファーに眠ってしまったが、両親に会う前とは違う何だか暖かいものにつつまれているそんな感じで心地よく眠っていた。
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