第一章 近所を見に行こう

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 そこに現れたのは、気象予報士や子供たちの姿はなく。  満開の桜に覆われたこじんまりとした比水公園だった。いつもここには老人しか訪れない。おまけに噴水が中央にあるだけの公園だ。ただ単の……鳥たちの水飲み場でもある。 「ナニコレ? 異常気象? え? なんで、今、7月よ!」  俺に追いついた光るが目を回して言うのだが……。 「ああ、寒いのになあ。桜くん。ご苦労様です! ちょっと、お尋ねしてもよろしいでしょうか、ここでテレビ中継とかされていましたか?」 「何言ってるの? おにいちゃん! いつも通り変よ!」  なんだか……変だ!  今日に限って……。  その時、ズシンという地面からの揺れと衝撃と共に俺と光の身体がグラついた。咄嗟に地震だと思ったのは、勿論今朝の天気予報のせいだ。 「光! 伏せろ!」 「え! 何! 地震?! 伏せていいの?」  比水公園を囲むかのように建つ住宅街がグラグラと激しく踊りだした。地鳴りは耳を塞ぎたくなるほどに大きくなった。桜の木々はこの上なく右へ左へと揺れ動く。    そして、俺と光の影を消し去った。
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