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ニュースキャスターのいる下の字幕に、次はお天気コーナーと書かれている。
「ふーむ、そうですか。今後ますます不景気になるかも知れませんね……。あ、次は天気予報ですね。このところ寒い日が続きますねえ。それでは、小春さん。今日の天気はどうですか?」
ニュースキャスターの一声の後で、場面が変わった。何故か近所の比水公園が映っていた……。
「おはようございますー。今日は、比水公園に子供たちと来ていますよー。それと、今日の天気は晴れ時々……あれれ? 春ですね……」
気象予報士の後ろには子供たちの平和な笑い声の中で、気象予報士が不思議なことを言っている。
場所は、ここの近くにある比水公園だ。
「へえ、そうですか。……次は、経済のニュースです。中東の経済状況が……」
何故……比水公園で……それに春……?
一体……?
おかしいだろ?
外の闇の中から……はあ?
桜の花弁が落ちているーーー??
俺の家の隣は比水公園だった。そこの桜の木が満開のようだ。
「うーんっ! 綺麗な夜桜ッスね?」
俺は呆れて冗談を言うしかなかった。風に乗って桜の花弁がガラス窓の外でひらひらと舞い落ちている。
「おにいちゃーーん! 遅刻だよーーー!! なんで起こしてくれないのーー! おにいちゃんバカ!」
その時、妹の光の絶叫が二階から降ってきた。
あれ? もうこんな時間か?
いつもの妹を起こしてやることを忘れてた。
数分後。慌てて夜の外へと二人して駆け出していた。
「光! 朝食は優しい兄である俺のトーストだ!」
「ほりがとう! ほひいちゃん!」
もぐもぐと俺のフレンチトーストを走りながら瞬時に食べる妹を置いて、ひとまず公園に様子を見に行くことにした。
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