第7話 折れそうな心

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「──っ!」 「あなたは一人でよく耐えています。よくここまで我慢しましたね」  その言葉だけでも私には十分すぎる優しさだったようで、思わず目の前の視界がぼやけてくる。 「あなたは本当に聖女のように清らかで美しい人です。でも、あなたはふと寂しい顔をするときがある」  図星だった。  ユリウス様は私を、私自身をよく見てくださっていて、それは愛情に飢えた私にとってすがりたい気持ちにさせる。 「私がいつかあなたを自由にし、そして……絶対に本当の笑顔が出せるようにしてみせます」 「ユリウス様……」  そして、少しの沈黙の後に私をそっと自分から離すと、目を見て真剣な顔で言う。 「もし人目もはばからずに会うことができたら、その時はあなたと──────」 「え?」  ユリウス様が少し照れて告げた言葉の最後は、風の声で私には届かなかった──
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