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「──っ!」
「あなたは一人でよく耐えています。よくここまで我慢しましたね」
その言葉だけでも私には十分すぎる優しさだったようで、思わず目の前の視界がぼやけてくる。
「あなたは本当に聖女のように清らかで美しい人です。でも、あなたはふと寂しい顔をするときがある」
図星だった。
ユリウス様は私を、私自身をよく見てくださっていて、それは愛情に飢えた私にとってすがりたい気持ちにさせる。
「私がいつかあなたを自由にし、そして……絶対に本当の笑顔が出せるようにしてみせます」
「ユリウス様……」
そして、少しの沈黙の後に私をそっと自分から離すと、目を見て真剣な顔で言う。
「もし人目もはばからずに会うことができたら、その時はあなたと──────」
「え?」
ユリウス様が少し照れて告げた言葉の最後は、風の声で私には届かなかった──
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