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第9話 揺れる気持ちとお互いの想い
私やユリウス様の集めた証拠や証言をもとに王命で王妃様とエリク様が断罪された数日後のこと。
王妃様は国外に永久追放となり、そしてエリク様は辺境の地にて農業に従事するようにとのお達しが出たそう。
一方、やっとの思いで窮屈な王宮での生活から自由を手に入れた私は、リアから交代になった新しいメイドのイレナに挨拶をする。
「これからユリエ様のお世話をさせていただきます、イレナと申します。よろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしくお願いします」
イレナは淡いピンクの髪をしていて、私からみたらメイドどころかお姫様のような見た目をしているな、と思った。
可愛らしいその容姿と声に私はすでにメロメロになっていた。
そして私は王宮内でもリーディアから『ユリエ』と呼ばれるようになった。
メイドのイレナと談笑していると、ユリウス様が部屋に訪れ謁見の間で王が呼んでいるとのことだったので、二人で向かった。
先日まで王妃様がよく座っていた玉座に、威厳のある格好とがたいの良さが目を惹く王が座っている。
「ユリエ、この度はそなたに大変迷惑をかけたこと、申し訳なかった」
「いえ、王もお体がよくなって良かったです」
「心配ありがとう。詫びではないが、これからもこの王宮にて変わらぬ暮らし、いやそれ以上の対偶をお約束しよう」
「そんなっ! 私は十分満足しておりますゆえ、お気になさらないでくださいませ」
「それと実はユリウスが魔術師を拷問にかけたところ、異世界に帰還する方法を吐いたそうなのだ」
「──っ! それは本当ですか?!」
「ああ、ユリウスが今準備をしているので、数日だけ待っていただけるか?」
「もちろんでございます。国王、そしてユリウス様、ありがとうございます」
玉座に座る王と隣に控えるユリウス様に礼を言うと、なぜかユリウス様は少し悲しそうな表情で私を見つめた。
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