新婚初夜の怪獣

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「早く寝なさい」 「そうだぞ。早く寝ないと大きくなれないぞ」  部屋に戻るよう促すも、息子は立ち去ろうとしない。  息子は、不安そうな、何かに(おび)えているかのような目で、俺と妻を見ている。 「何か怖いことでもあったのか? 怒らないから、パパに話しなさい」 「ねえ……」 「何だい?」 「パパとママって、かいじゅうだったの?」 「いや、普通の人間だぞ。どうしてそう思った?」 「だって、かがやいたり、やまのようにおおきくなったり、こしをふやしたり、ミサイルをはっしゃしたり、うけとめたりするんでしょ?」  ……絶句した。何て説明しようか。面白おかしく新婚初夜のことを話していただけなのに。
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