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「しおりん、分かってんのかなぁ?分かってないよなぁ……。オレ、これどうすべきなんだろ」
忘れていたが、汐里はハッキリ言わないと通じないタイプの女の子だった。
戸惑いを隠せないまま、樹は先ほどのメッセージのやり取りを見返した。
どうすべきなのかは、その時までに考えればいいことにしよう。
ある意味、部屋に来てくれるだけで一歩前進なのだとも言える。
誰にも邪魔されることなく二人きりでゆっくり過ごせるという至福の時間。
とりあえず日程を決め、前を向く。
悩んでいる間にも色々と準備は必要である。
せっかく汐里が来るのだから、彼女をおもてなししたい。
汐里は紅茶が好きなのだ。
彼女のためにとっておきのものを用意しておけば喜んでもらえるだろうか。
樹はちょいちょいとスマホを操作し、おいしい紅茶について検索したあと、さっと上着を羽織った。
そして、バイクのキーを手に取り玄関に向かった。
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