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(樹)今度、オレんち来る?一緒に食べよう。
「やっぱ、いきなりはいくらなんでもなぁ……」
息が詰まるようなドキドキした感覚。
高校生の頃に逆戻りしたかのようである。
自分の想いもそうだが、それよりも汐里の気持ちを大切にしたい。
とはいえ、女の子を部屋に呼ぶという行為はやはり自分本位かもしれない。
そう考えているうちに既読がついた。
汐里は今、一体何を思っているだろう。
それ以上画面を見るのが怖くなり、樹はそっとスマホを手から離した。
すると、ピキーンという着信音がすぐさま鳴り響く。
もう返事が来たのだろうか。
恐る恐る確認して、樹は狐につままれたような表情になった。
(しおりん)行く!
「へ?」
あまりにもあっさりと「行く!」が返ってきたため、樹は拍子抜けしてしまった。
(しおりん)きゃーっ!樹くんのお家!行ってみたい!どんなとこだろ~!?
あっ!そっかー!樹くんのキッチンでご飯作れるね!
わーい!とウサギが跳びはねているスタンプ。
汐里からの浮かれポンチな返信を見ながら樹は困った顔で考えていた。
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