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呼吸が苦しい。
体が思うように動かない。
体のあちらこちらが痛い。
ゆっくりと重たい瞼を開く。
すると、女性が僕の顔を覗き込んでいた。
美しい顔が台無しだ。
目元は腫れあがり、クマもできている。
頬は少しやつれ、唇は紫がかっている。
髪は乱れ、声は枯れかけてしまっている。
それでも彼女は呼び続けている。
僕のことを。
僕はありったけの力を右手に込める。そして、僕ば彼女の頬を優しく撫でると、呼吸器越し思いを告げた。
「ありがとう。ただいま」
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