1人が本棚に入れています
本棚に追加
7
それから三十分ほどかけて、俺はおばあちゃんと共に学校へ戻った。すると正門の前には警官や職員が立っていて、何やら話し合っていた。
「あ、翔也くん!」
その中にいた美人先生が俺に気づくと、急いで駆け寄ってきて俺を抱きしめ
てくれた。
「どこ行っていたの!? みんな探したんだよ」
「ごめんなさい」
俺は泣いて謝ることしかできなかった。
「みんな、翔也くんいたぞ!」
別の先生が大声をあげながら学校内に戻っていく。学校の周りを探していたらしい俺の友達も寄ってきて、「翔也、何やってんだよ!」と笑いながら俺の頭を叩いた。そして十分ほどしてから母が自転車でやってきて、軽く俺の頬をビンタした。
「もう、心配させないで!」
それは、俺にとって最初で最後の愛のムチだった。俺は「ごめんなさい」と言い続け、周りの温もりを吸収することしかできなかった。
最初のコメントを投稿しよう!