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「大丈夫でございます。いつものことです」
速川は、冷静に言った。
そして、続けた。
「つまりは、綾乃お嬢さまは、街で貴方様を見かけられ、一目惚れされまして、お嬢さまの父上である円城寺財閥の総帥・円城寺魁人氏のお知り合いである、貴方様の父上の会社の社長を通して、お見合いを設定させていただいたのです」
「えええっ?!」
優介は、さっきから、驚きの連続津波だ。
円城寺財閥といえば、世界中に知らない人はいない大企業のグループだ。
そのお嬢さまが、僕に一目惚れ?!
まだ、信じられない優介に、速川が言った。
「ご覧の通り、綾乃お嬢さまは、いわゆる腐女子であり、かなり腐っておりますが、これから末永くよろしくお願い致します」
……そして、この日から、平凡なサラリーマンである佐倉優介の受難の日々が始まったのだった。
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