第一章 幸福の天使は腐ってる?!

9/9
前へ
/61ページ
次へ
「大丈夫でございます。いつものことです」 速川は、冷静に言った。 そして、続けた。 「つまりは、綾乃お嬢さまは、街で貴方様を見かけられ、一目惚れされまして、お嬢さまの父上である円城寺財閥の総帥・円城寺魁人氏のお知り合いである、貴方様の父上の会社の社長を通して、お見合いを設定させていただいたのです」 「えええっ?!」 優介は、さっきから、驚きの連続津波だ。 円城寺財閥といえば、世界中に知らない人はいない大企業のグループだ。 そのお嬢さまが、僕に一目惚れ?! まだ、信じられない優介に、速川が言った。 「ご覧の通り、綾乃お嬢さまは、いわゆる腐女子であり、かなり腐っておりますが、これから末永くよろしくお願い致します」 ……そして、この日から、平凡なサラリーマンである佐倉優介の受難の日々が始まったのだった。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加