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「まあ、とにかく、いい見合いで良かったじゃないか、佐倉君」
その副島が、とりなすように言った。
編集長のいい加減男・永井一夫。
副編集長のしっかり者・副島 賢。
営業部長のおばちゃん・近藤信子。
営業部員の神経質男・新庄正臣。
編集部員で優介の同僚の紀里谷 誠。
そして、同じく編集部員の優介。
……この六名が、弱小出版社『マリモ出版』の全社員である。
「さあ、編集長、編集会議を始めましょう」
そう、副島が言った時、編集長の永井のデスクの電話が鳴った。
永井が、受話器を取った。
「ああ! 社長!」
そして、へこへこしながら、受話器に向かって頭を下げて話した。
「お疲れ様です! いやあ、順調ですよ~! 今度の企画、もう重版出来に決まってますよ! ええ、はい。わかりました! それでは」
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