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優介が、浮かれてルンルンしながら、鼻歌交じりに帰り支度をしていると、紀里谷が、声をかけて来た。
「本当に、可愛い子なのか? その見合いの今日のデートの相手?」
「マジで、めっちゃ可愛いし、あの円城寺財閥のお嬢さまなんだぞ!」
優介は、自分で言っておきながら、まだ、信じられない思いだった。
その優介に、紀里谷はニヤニヤしながら言った。
「ホントかどうか、オレが見てやる。初デートの指南もしてやるよ」
「ええっ?! お前が付いてくるのか?!」
優介は、驚いた。
「ああ。オレには、女を見る目があるからな。お前とは、女と付き合った場数が違う」
確かに、奥手で、二十六の今まで彼女の一人もいなかった優介と違い、男らしいイケメンの紀里谷に女の噂は絶えない。
「じゃあ、付き添い、決まりな!」
そう、紀里谷が嬉しそうに言った。
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