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二人で、定時退社をすると告げると、副島は渋い顔をした。
「企画がまだ足りないのに……仕事は山積みだぞ」
それを聞いた永井が、デスクでどら焼きを食べながら、言った。
「まあ、いいじゃないか。たまには、息抜きも必要だ」
「編集長は、息抜きばかりですけどね……」
副島が、どら焼きに齧りついている永井を見て、ため息を吐きながら言った。
そうして、優介と紀里谷は、定時退社できることになった。
綾乃さんとの初デートは、何やら、綾乃さんが是非に行きたいところがあるということで、マリモ出版のあるビルの前で、迎えの車を待つことになっていた。
紀里谷と優介は、並んで待っていた。
そこへやって来た車は、優介の予想を超えた、ど肝を抜く車だった。
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