第二章 腐女子と初めてのデート

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二人で、定時退社をすると告げると、副島は渋い顔をした。 「企画がまだ足りないのに……仕事は山積みだぞ」 それを聞いた永井が、デスクでどら焼きを食べながら、言った。 「まあ、いいじゃないか。たまには、息抜きも必要だ」 「編集長は、息抜きばかりですけどね……」 副島が、どら焼きに齧りついている永井を見て、ため息を吐きながら言った。 そうして、優介と紀里谷は、定時退社できることになった。 綾乃さんとの初デートは、何やら、綾乃さんが是非に行きたいところがあるということで、マリモ出版のあるビルの前で、迎えの車を待つことになっていた。 紀里谷と優介は、並んで待っていた。 そこへやって来た車は、優介の予想を超えた、ど肝を抜く車だった。
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