第二章 腐女子と初めてのデート

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優介の気持ちに一切、気付いていない速川が、紀里谷に言った。 「そうですか。それではよろしくお願い致します。私は、綾乃お嬢さまお付きの秘書の速川と申します」 と、スーツ内ポケットから、あの名刺を出した。 それを、紀里谷に渡した。 紀里谷は、その名刺を受け取って、見て言った。 「速川(はやかわ)……(かい)さんですか?」 「はい」 速川がそう答えた、その時、リムジンのドアが急に開き、綾乃さんが慌てて出て来た。 綾乃さんは、ドアのところで躓いて、顔面から地面に落ちそうになった。 「きゃーーー!!!」 それを、速川が素早く、綾乃さんの体ごと受け止めた。 「おおっ! 素早い対応! さすが、『快速』!」 紀里谷が、笑って言った。 「快速?」 速川が、怪訝そうに言った。
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