第二章 腐女子と初めてのデート

10/23
前へ
/61ページ
次へ
ー 速川 快 VS 紀里谷 誠 ー596109a7-0a75-4afd-8383-290e7a9ae374 「だって、速川快って、面白い名前ですよね。それに、この素早い行動。まさに『快速』っぽい。ははは」 紀里谷がそう言って笑うと、いつも冷静だった速川が、明らかにムッとした。 そして、紀里谷に向かって言った。 「あなたは、背は高いですけど、愚鈍そうで、『鈍行』といったところですね」 今度は、紀里谷が、ムッとなった。 「オレは、学生時代、アメフトの日本代表だったんだ。愚鈍じゃない! この快速野郎!」 二人は、睨み合った。 一触即発の雰囲気だ。 優介は、そんな二人を取りなすように、慌てて言った。 「速川さんも、背が高くて、カッコいいですよね」 それを聞いた、紀里谷が鼻高々に言った。 「オレは、185.5センチもあるんだぜ」 速川は、フッと鼻で嗤った。 「私は、185.8センチです。私の方が上ですね」
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加