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Daily life and sudden reunion
同窓会のお知らせ届いていたから荷物と一緒に送ったわよ、そう母からメッセージが入ったのは関東地方が梅雨入り宣言をした6月はじめだった。
梅雨に入った途端、朝から小雨が降ったり止んだりの1日で時折雲の隙間から顔を出す太陽はすぐに隠れてしまい、梅雨独特のあのジメッとした湿気をたっぷりと含んだ空気がなんとも不快に思えるそんな1日だった。
お天気と同じく私の気分も晴れない。
同窓会か。
軽く吐き出したつもりの溜息は思いの外重く口から出てしまい、そんな自分を誤魔化すように業務を再開した。
「お疲れ様、駅まで一緒にいい?」
通用口から出た私に並んだ佐藤さんの笑顔に何故かホッとする。
「梅雨入っちゃったね」
佐藤さんがすっかり夜となった空を見上げてそう言ったから、私も同じように首を上げた。
「憂鬱な時期ですね」
「嫌よねー」
「嫌ですねー、今年は去年より長いって言いますものね」
「ね。毎年そう言っている気がするんだけど」
「ですね」
並んで歩きながら、ここ数年同じ内容の会話繰り返しているよね、とお互い笑い合う。
司書としてここの図書館に採用されてから10年。
佐藤さんとの付き合いも10年だ。
電車通勤の佐藤さんと改札前で別れ、駅構内を真っ直ぐと進み北口に出れば商店街が見えてくる。
昔懐かしい床屋さんが商店街の入り口にあり、そこからお茶屋に肉屋、お年寄り御用達の洋服屋。激安のドラッグストアもあれば、老舗の和菓子店もある。
ワンコインランチで人気の中華屋さんに、お蕎麦屋さん、種類の多いお弁当屋さん、レトロな喫茶店。
怪しげな健康食品を売っているらしいお店もあれば、最近メディアで取り上げられて人気が出た洋菓子店もある。
少し前まではシャッターが下りていた店舗もチラホラあったのに、ここ数年で力を入れて取り組まれている地域の活性化の一貫で空き店舗では商工会主催のイベントが行われたり、塾が入ったり、大人の為の習い事が出来る教室が入ったりと、かなり賑やかになった。
個人的には商店街のおくにある唐揚げ屋さんが美味しくて味のバリエーションも豊富でお気に入り。
その商店街の反対側はマンションや築年数古めのビルが通りに沿って並んでいる。そのエリアを抜ければ緩い坂道になっていて戸建てやアパートの多い住宅街となっていく。
そこを登り切った辺り、北口から15分ほど歩けば私の住まいだ。
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