330人が本棚に入れています
本棚に追加
2年になって(渢)
入学して嬉しいことや緊張や不安なこと友人たちの生活の変化、いろいろなことがあって1年が過ぎた。
龍之介は卒験も医師国家試験も無事に終えて大学病院での初期臨床研修に入った。
1年と違って専門の授業が多く、陽一郎や圭太と逢う機会も少なくなった。
授業が終わって同じクラスの女子や男子とお茶をしたり食事をしたりする機会が多く、それが当たり前になってしまった。
たまには前のように二人に逢いたいと思っても、時間が合わなかったり遠慮してメールをする機会も減ってしまった。
帰りもばらばらで圭太や陽一郎に送ってもらうことなくも電車で帰宅する。
今日久しぶりに同じ授業で逢えるのが嬉しくてキャンパスへ向かった、校舎へ歩いているとずっと前の方に陽一郎の後姿が見えた、どんなに離れていても背が高く、お洒落で歩く姿もスマートな陽一郎の事はすぐにわかる。
僕はすぐそばまで行って陽一郎の肩をたたいた。
「陽一郎!」
「渢久しぶり!なかなか逢えないね」
「忙しい?圭太は?」
「相変わらずだよ」
「終わったら一緒にランチできる?」
「うんできるよ」
僕と陽一郎は並んで教室へ入った、圭太が二人分の席を確保して待っていてくれる。
「渢!陽一郎!こっち」
「圭太久しぶりだね………」
「なかなか会えなくなったね」
「うん………圭太はどう?」
「うん順調」
3人並んで授業を受けてると高校時代を思い出す、僕たちは小学校から8年間もずっと同じクラスでしかも席も隣同士だった。
3人なんでも一緒だった………始めての学校で緊張して僕に話しかけてくれた圭太と陽一郎………僕にとって2人は唯一無二の親友だ………
きっとこれから先何があってもずっとこのまま親友でいてほしいと思える存在だった。
最初のコメントを投稿しよう!