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一人ぼっちの部屋で(渢)
僕の名前は西宮 渢学校へは行っていない、ずっと一人部屋にいる。
たまにママが持ってきてくれるメロンパンと牛乳を飲んで一日中僕は一人だ。
昼間もカーテンを開けることは禁止されてるから部屋の中は薄暗い、夜は電気が付かないからもっと真っ暗になる、本当は凄く怖いけど、泣いてもだれもいないから我慢してる。
いつもはパンがなくなる頃にはママがメロンパンと牛乳を持って来てくれるのに・・・・・もうパンも牛乳も無くなった。
毎日少しづつ食べるように言われて、一口づつ食べたのに・・・・
もう何日も食べていない、ペットボトルも無くなって水も飲んでない・・・・・
牛乳もないし水道も出ないし喉が渇いてたまらない・・・・・
お腹がすきすぎて、何だか頭がボーッとして・・・・
だから動くのも面倒で布団に寝て・・・・目を閉じた。
僕は夢を見ている・・・・・
人の話し声がして少しだけ目を開けると、女の人が僕を見ていた。
「目を開けました、先生意識が戻ったみたいです」
「よかったぁ~ふう君ふう君わかる?」
男の人と女の人が何か言ってたけど、よく意味が分からない・・・僕は夢を見ている・・・・そう思ってまた目を閉じた。
次に目を開けた時もまた女の人が僕を見て笑っていた。
「ふう君もう大丈夫よ、お水飲む?」
「うん」
僕は喉が渇いていた、女の人が柔らかなもので唇を濡らしてくれた、喉に冷たい水が流れてきて美味しい、もっとたくさん飲みたかった。
腕には細い管が付いていて、透明な袋からポタポタと水滴が落ちている・・・・・
ここは病院?
広い部屋のベッドに僕は寝ていた、女の人は看護師さんで男の人は先生って呼ばれていた。
目を開けたり寝むったりしてたら、少し元気が出てきた。
今日は女の看護師さんのほかに、男の子が僕を見ていた。
この子は誰?僕を見て泣きそうな顔をしている少年は目を開けた僕のほっぺを触った・・・・・
「ふう君僕は笠原 龍之介だよ、よろしくね」
知らない人だけど凄く優しそうな感じがしたから僕は「うん」と返事をした。
次の日から笠原 龍之介君は学校が終わったらすぐに僕の部屋に来るようになった。
今日から朝ご飯は柔らかなお粥になった温かくてとても美味しかった。
食べ終わるとベッドに寝たまま運ばれて、あちこちの部屋で検査を受けた、血も摂られてレントゲンも撮って、心臓の検査もして歯医者さんへも行った。
いっぱい検査を受けた。
ご飯が食べられるようになったら、点滴はしなくていいって言われた。
点滴があるとトイレにも行けないし早く取ってほしかった。
お昼はお粥と一緒にリンゴのゼリーもあった、始めて食べたけど凄くおいしかった。
食べたらまた眠くなってそのまま眠ってしまった。
目を開けるとすぐそばで僕を見ている笠原 龍之介君がいた。
晩御飯は笠原 龍之介君も僕のベッドにテーブルを置いて一緒に食べた。
龍之介君のおかずは何種類もあって始めて見るものばっかりで、なんだかおいしそうな匂いがしている、それを全部食べていた。
龍之介君は夜は僕のベッドに一緒に寝た・・・・・どうして一緒に寝るのかわからないけど、一人でこの部屋にいるのは怖いから、誰かが居てくれるのは嬉しかった。
先生には怒られないのかなって思うけど、先生が来た時龍之介君の頭を撫でて笑っていたから、大丈夫みたい。
僕はいつまで病院に居るんだろう?
退院したらまたあの部屋で一人ぼっちになるのかと思ったら、悲しくなって涙が溢れてきた。
僕が泣いてたら龍之介君が、僕の事を抱きしめて背中を撫でてくれた。
なんだか嬉しくて安心したら眠くなった・・・・・
龍之介君ありがとう。
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