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僕は龍之介君と家族になった(渢)
入院して3週間、今では何でも食べるようになった。
体調も回復して顔色もよく体重もこの3週間で2キロも増えた。
学校が終わると龍之介君はすぐに病室へきてくれる、帰る時間が近くなると僕は龍之介君が来るのが楽しみで部屋の入口から目が離せない。
入口のドアが開くと龍之介君が勢いよく入ってきて「渢ただいま」って言う。
僕は「龍之介君おかえり~」そう言って龍之介君に飛びついて行く。
龍之介君は僕の頭を撫でながら「いい子にしてたか?」って聞くから僕は「うん」と答える。
龍之介君は本当にやさしい、明日から僕は龍之介君の家で一緒に住むことになった。
先生が「一緒に住もうな」って言ったから、僕は嬉しくてすぐに「うん」と答えた。
退院の日病院の皆に花束をもらって先生の家に行った。
龍之介君もここに住んでいる、今は学校に行ってるからいないけど、今日から同じ家で暮らすんだ。
家に入ると女の人が出てきた名前は加藤春さんってゆう人だった、春さんって呼んでって言われたから僕は「春さんよろしくお願いします」って言った。
春さんが2階の僕の部屋へ連れて行ってくれた、ベッドがあって机もあって黒いランドセルもあった。
部屋のクローゼットには僕が着る服や下着が用意してある、どれでも好きな服を着ていいよって言われたけど、どれを着ていいかわからなかった。
一階で春さんがおやつを作ってくれて、テーブルで一緒に食べてると龍之介君が帰ってきた。
走って帰ってきたのかハァ~ハァ~言いながら、僕が座っている所へ来ると・・・・・
「渢君居たぁ~~今日からずっと一緒だよ」
そう言って僕が食べてるクッキーを取って口に入れた。
春さんが「龍之介さん早く手を洗ってらっしゃい」
そう言って龍之介君のクッキーと紅茶をテーブルに置いた。
「春さん、渢君の部屋見せた?」
「はいさっき見に行きましたよ、ね渢君」
「うん、龍之介君の隣の部屋だよ」
「欲しいものがあったら僕に言いな」
「はい」
龍之介君と僕はクッキーを食べ終えると2階へ行って、龍之介君の部屋を見せてもらった。
机があって、壁には僕の知らない男の人の写真が貼ってある。
本棚には本がいっぱい並んで,どれでも好きなのを読んでいいって言ってくれた。
でもまだ僕には読めそうにない難しそうな本ばかりだった。
僕の部屋へも行ってカバンや教科書に名前を書いてくれたり、新学期から行く学校の話をしてくれた。
小学校は龍之介君の行ってた学校で小学校も中学校も、高校も同じ場所にあるんだって・・・・・だから新学期からは龍之介君と一緒に通学できる。
どうやって行ったらいいか心配してたけど、龍之介君と一緒なら安心。
一階で春さんが僕たち二人を呼んだ。
「龍之介さんも渢君もご飯だから降りてらっしゃい」
そう言われてすぐに降りて行くと先生がテーブルに座って待っていた。
「渢君、今日からここが自分の家だからね。龍之介と仲良くね」
「はい先生ありがとう」
「先生じゃなくて今日からは孝太郎さんって呼んでくれると嬉しいな」
「うん、孝太郎さんありがとうございます」
「はい、じゃぁごはん食べようか」
「お父さん、僕もそう呼んでいい?」
「お前も孝太郎さんって呼ぶの?お父さんじゃなくて?」
「だって渢君だけ孝太郎さんって呼ぶの変ジャン、だから僕も今日から孝太郎さんって呼ぶことにした」
「はいわかりました」
春さんが僕たちの話を聞いて笑っていた。
夕食は春さんが作ったもので凄くおいしかった、こんなに美味しい料理は始めて食べた。
「春さん凄くおいしい料理ありがとうございました」
「まぁ~渢君そんなに言ってくれて嬉しいわ、これから毎日作るわね」
「はい」
晩ご飯を食べたら、龍之介君が食べた食器は自分でキッチンへ持って行くんだと教えてくれたから、お茶碗もお箸もお皿もコップも全部自分の物はキッチンへ持って行った。
洗うのは春さんがやってくれる。
龍之介君が一緒にお風呂に入ろって言って、2階へ上がって僕の部屋でパジャマと下着の置いてある場所を教えてくれた。
龍之介君も部屋から着替えを持ってきて、一緒にお風呂に入った。
大きくて広くて綺麗なお風呂に僕は始めて入った。
これまで僕はお風呂に入ったことがなかった、お風呂ってこんなに気持ちがいいんだって始めて知った。
入院して点滴も外れた時、部屋のシャワーで看護師さんが髪と身体を洗ってくれた、僕はいつお風呂に入ったのか聞かれたけど、よく覚えていなかった。
龍之介君がシャンプーで髪を洗ってくれた、身体も泡をいっぱいつけて洗ってくれる。
いい匂いがしてなんだか気持ちがよくなってお風呂の中で眠たくなった。
お風呂から出ると龍之介君がドライヤーで僕の髪を乾かしてくれる、髪を撫でられると凄く気持ちがいい。
僕も大きくなったら龍之介君にドライヤーをしてあげたいと思った。
髪が乾いたら、冷蔵庫から冷たい牛乳を出して龍之介君と一緒に飲んだ。
牛乳はメロンパンと一緒に飲むと美味しいんだよって、龍之介君に言ったらそうだねって言って少し悲しそうな顔をしていた。
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