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僕はそれまで住んでいたマンションを引き払い、ミガワリの事務所の二階に移り住んだ。
事務所を荒らされる事件もあったりしたから迷ったのだが、子どもたちの環境をなるべく変えたくなかったのだ。
シオタさんが事務所の玄関にシャッターを、二階に上がる階段の前にも鍵のかかる扉をつけてくれたり、警備会社とも契約し防犯ブザーなどを取り付けセキュリティを強化した。
これで完全に安心とはいかないかもしれないが、あとは僕がふたりを守ればいい。
引っ越しの手続きや片付けをしながらも僕の父親人生はスタートした。
子育てどころか、一人暮らしでも料理はまともにやってなかったからシオタさんやアキさんに助けてもらいながら日々は過ぎていった。
以前も子どもたちとは何度か会っていたし、自分には懐いてくれていたと思ってたが少し違っていた。
お喋りでおませなアイは変わらず僕に接してくれたが、シンイチはどこか身構えているように見えた。
もともと、アイの後ろに隠れていておとなしいイメージがあった。しかし、美奈子に言わすとシンイチは思慮深くしっかりした子、らしい。
シンイチは僕のことをどう思っているのだろう?
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