賽は投げられた

1/1

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

賽は投げられた

 琵琶湖大橋の歩道を2人並んで歩き始める。少しずつコメプラザと駐車場が離れていく。歩道はやや急な坂道になっていた。 『平らと違うんやね。』 「うん。なんかこの坂を歩いて行って1番高いところに展望台があるんやって。その展望台の下ぐらいを大きな船が通るんやって。」 『そうなんやー。』 フンフンと頷きながら琵琶湖を眺めるカノジョ。 「あの…突然やけど、歩きながらしりとりしいひん?」 『しりとり?突然やけどいいで!楽しそう!なんか小学生の時思い出すわ。』 「何で小学生の時思い出すの?」 『学校の帰りしな、しりとりよくしててん。』 「へー…。」 『私から初め言ってもいい?』 「いいで~!」 ーーー賽は投げられた!
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加