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しりとり②
2人並んで展望台から北湖を暫く眺める。
『スゴいきれいやね…。心が癒されるわぁ。』
「ホンマやなぁ…。」
『吐き気、少し落ち着いた?』
「あ、うん。ありがとう。何となく落ち着いたわ。」
『ほんなら、続きしよか?』
「うん。」
2人はまた歩き始める。
「け、け…けっとう」
『うし』
「しょうゆ」
『ゆき』
「きんぎょ」
『よる』
「るす」
『すいか』
「かぶ」
『ぶけ』
「け…け…け…けっ…」
急に黙り込んで立ち止まった僕。それに気がついたカノジョも立ち止まる。
『どしたん?また、気分悪くなった?』
「ううん、違うねん。ありがとう…。」
僕は、深呼吸を数回繰り返す。どきどきする胸に両手を添える。北湖を見て、そのまま空に目をやる。そして、カノジョに向き直ると、一連の僕の動作を見ていたカノジョが心配そうにしていた。
カノジョの正面に来るように少し歩み寄る。
「待たせてごめんな。しりとりの続きするな。」
『待つのはいいんやけど、ホンマに大丈夫?』
「ありがとう。大丈夫。そしたら続きするな。」
『うん。』
「………その前に…。」
『なんや、ためるんか~い💦💦』
「ご、ごめん。ためてるつもりはないんやけど…芸人さんみたいに突っ込む一面もあったの知らんかった…。」
『フフッ、知らんかった?…女はミステリアスやねんで?』
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