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スーツ姿の義姉さんは大人っぽくて、色気が増している。
シャツの胸元ボタンが授業中のときより開いていて、つい見てしまう。
俺は今、鼻の下を伸ばしてみっともない顔になっているかもしれない。
顔を見られる前に一歩下がって、眼鏡を床に置いた。
「ここに置いとく」
俺は回れ右をして、来た道を戻る。
「ちょ、ちょっと!優也!」
後ろで足音が早くなり、少し止まってから、また足音が近づいてきた。
「捕まえた♪」
両肩には義姉さんの手、背中には柔らかい感触。
観念して立ち止まることにした。
密着しているのか、義姉さんの心臓の鼓動を感じる。
ふわっと香る甘い匂い、首にかかる吐息。
俺は理性を保とうとするが、心臓の鼓動は勝手に早くなっていく。
義姉さんに気付かれないよう、俺から声をかける。
「くっつきすぎだろ…。誰かに見られたらどうするんだ」
「姉弟なんだから、問題ないでしょ?」
先生モードではなく、すっかりオフモードだ。
一緒に暮らしていたとき、俺に甘えてくることが多かった。
義姉さんは去年から一人暮らしをしているが、どんな生活をしているのか少し気になる。
こうやって甘えてくるということは、教師の仕事で疲れていたのだろう。
仕方がないので、このまま甘えさせることにした。
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