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第三話
私は、これまで、残された家族全員と喧嘩の毎日だった。
それを、邪魔者を追い出す様に此処へ入れたのだから、面会に来ないのも当然だろう。
中でも特に言い争っていた、たか子が熱心に来るのだから皮肉な物である。
ホームの生活も板に付き始めた頃、消灯の時間になった。
私は、入居前までは、ラジオを聴きながらでないと、眠れないたちであった。
耳も少し遠く、朝まで爆音を鳴らしたまま眠りにつき、隣の部屋の健吾によく迷惑をかけたものである。
寝床に入ると机にはラジオがあった。
入居後、娘夫婦が荷物を運んでくれたらしいが、ラジオは無かった筈だ。
有るに越した事は無いし、私は、接続された有線イヤホンを耳に入れた。
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