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「それがな、ホームに入ってん」
何かを計算したかのように、事実を述べる寛。
辿り着いた先には、それらしい建物が佇んでいた。
あぁ、そういう事か。
私が居ない事を皆、望んでいたのだ。
私は、三階へ案内された。
ホームの人は、やけに笑顔だ。
見渡すと、私くらいの老人がテーブルを囲い、テレビを眺めていた。
「一惠さんの部屋は、一番奥になります」
窓は脱出できない様に、一定の角度で止まるようになっており、先ほど乗ったエレベーターも、ロックがかかっているらしい。
その窓からは、自然豊かな景色が見える。
そこで、ふと思った。
「ここが、うばすてやまか」
つづく
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