第一話

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「それがな、ホームに入ってん」 何かを計算したかのように、事実を述べる寛。 辿り着いた先には、それらしい建物が佇んでいた。 あぁ、そういう事か。 私が居ない事を皆、望んでいたのだ。 私は、三階へ案内された。 ホームの人は、やけに笑顔だ。 見渡すと、私くらいの老人がテーブルを囲い、テレビを眺めていた。 「一惠さんの部屋は、一番奥になります」 窓は脱出できない様に、一定の角度で止まるようになっており、先ほど乗ったエレベーターも、ロックがかかっているらしい。 その窓からは、自然豊かな景色が見える。 そこで、ふと思った。 「ここが、うばすてやまか」 つづく
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