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第二話
認知症専門老人ホーム『パブロ』に入居して、半年が経ったそうだ。
「一恵さん、たか子さんがお見えですよ」
「え?たか子が?」
どうやら、面会に来たらしい。
私がボケてしまっている事は、多少なりとも自覚はしているが、流石に此処が家ではない事は分かっている。
しかし、これほど巧妙に入れさせられたのだから、迷惑している家族の為にも、言う事を聞かねばならない。
すぐに帰れると分かっていた、デイサービスやショートステイでのように暴れる事も出来ただろう。
しかし、私には『パブロ』と提携した病院から、認知症の症状を遅らせる内服薬が処方されていた。
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