第1話 ゲームから追放されて、どうしよう!?

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第1話 ゲームから追放されて、どうしよう!?

 今ボクは、ベッドの上で女性に押し倒されていた。  厳密には、フルダイブゲームをやろうとしていたボクの上に、この女性が振ってきたのである。  ここは二階建てのアパートだが、ボクが住んでいるのは二階だ。  天井が破れたわけでもない。  生身の女性とはいえ、この子の見た目はボクのゲーム内アバターとそっくりだ。  というより、彼女はボクのアバターそのものだった。  つまり、この子「も」ゲームから追い出されたのである。  ボクと同じように。   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~    始まりは、ついさっきだ。  「んだよネカマかよ、死ね!」  男性プレイヤーが、ボクをナンパしに来たのである。  三日もかけて作り込んだ最高の美貌だから、惚れられるのも仕方ないのだろう。  しかし、ボクがネカマだとわかると、相手は手のひらを返してきた。  まあ、ボクだってこんなヤツと一緒に回りたくない。   ボクがネカマであるというウワサはまたたく間に広がって、拡散してしまった。  誰もボクに声をかけてこようとしない。  仕方なく街へ出ると、運営から連絡が。 【赤星(あかほし) 希武(のぞむ)さま、あなたをゲームから追放します】  そんな無慈悲な! 「どういうことですか?」 【あなたをナンパした方は、運営の身内でした。不快な思いをさせて、申し訳ありません】 「だったら、ゲームを続けさせてください」 【それが、「あの男がいるなら運営を手伝わない」と言われてしまいました】  雇われも、大変だな。  それで、ボクはアカウントを停止させられた。  しかし、問題はその直後に起こる。 「きゃああああ!」  女性キャラが、フルダイブ中のボクにのしかかってきた。  ドシンという生暖かい感触と、適度な弾力がボクの胸に。  ヘッドセットを外して、様子を伺う。  本当に、ボクの身体の上に生身の女性がのしかかっていた。  ボクの上で、目を回している。  現代日本であまり見かけない、際ど目のファッションである。  なんといっても大きなバストだ。  大きすぎず小さすぎず、ちょうどいいサイズである。  こんな奇跡のようなスタイルを、リアルでお目にかかれるとは。  まるでゲーム世界から飛び出してきたような。  いやいや。この子はまさしく、ボクがさっき作ったアバターそっくりじゃないか!  うん。まぎれもなくボクが作ったゲームキャラで間違いない。  初陣だったので、武器等は携帯していないが。  顔立ちは人間そのものだ。 「ボクのアバターでコスプレをしたお姉さん」に見える。 「ごめんなさいぃ。おケガは?」  女性は飛び起きて、ボクから身体をどけた。 「ありません。キミは?」  身体を起こして、ボクは少女に問いかける。 「わたしはセーナ、あなたが作った、ゲームのアバターです!」
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