閉じられた貝

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 閉じられた貝  私は貝の形をした湯船に体を浸からせて、ドアに嵌められたガラスの向こう側を見ると、彼女がいた。  彼女は洗面所の前で鏡を見ながら、腰まで伸ばした艶やかな黒髪を()めている。  髪を留めることが出来た彼女は口角を上げて、ドアを開けるとすぐに彼女は私と目が合い、顔を赤く染めた。 「もう! 見ちゃダメ!」  両足を閉じながら口を軽く尖らせて、両手の人差し指で×を作ると私の顔の前に近づけた。  彼女の両足で出来た窪みの奥にある閉ざされた秘貝と手で見え隠れしている白く実った梨をきちんと見られなかったのは残念だ。  私はハイハイと言いながら後ろを向くと、彼女は湯加減を見ているのか桶に湯を入れてはバシャバシャとタイルにかけていく。 「うん、良い感じ」  彼女は私に背中を向けてゆっくり足を入れる。丸みを帯びた膨らみが私の顔の前に来たと思えば、それもゆっくり水面が揺らめいている湯の中に浸からせていく。  彼女は首から下を湯に浸からせたところで両手で両肩に湯をかけた。  私も彼女に湯をかけるとゆっくり両腕を彼女の体に絡ませた。  更に私は自分の肘の上に置かれた彼女の双丘の重みと肋骨の形を両腕に抱きながら、黒髪と頸の境目に右を頬を埋めた。 「ギューってされてる」  彼女の顔は見えないが目を細めて、口角を上げていることが伝わる。 「少し大きくなった?」 「ん〜なったかな?」  彼女は私の問いを両手で確かめた。 「分からない」 「そうか」  私から聞いておいてなんだが、少しぶっきらぼうな答え方になった。 「触ってくれないの?」  彼女の声が不満そうになったと思えば、顔と体を動かして、私の方を向いた。  彼女の両頬は赤く染まっており、すぐに私の胸に顔を埋めた。 「おっぱい、冷えてるよ?」  彼女はそう言うと私の胸に湯をかけ始めた。お湯が胸に当たる度に温かさとお湯の勢いを感じる。 「大丈夫だよ」  私は左手で彼女の右手首を優しく掴み、右手で背中に手を回して、胸と胸を密着させるように抱き寄せた。  まだお互い温まりきっていない胸とその先端の感触に彼女は軽く左右に身を捩れさせる。しかし、それでも離れようとせずにむしろ、もっと密着しようと体を自ら寄せていく。 「少し冷たい、温めないと風邪引くよ?」  彼女がそう言うと右手を動かすので私は彼女の右手を自由にした。すると、私の胸に向かって湯をかけ始める。今度はお互いの谷間にお湯が滴っていく。  私は左手で彼女の腹部を触った。括れはあるものの腹筋の形や骨が分かりにくい丸みのある腹部だ。  彼女は少し体をビクッと動かせ、色気のある声を出したが拒むことなく受け入れる。 「イカ腹可愛い」  私はそういうと彼女の腹部を左手で摩った。 「やだぁ……」  その言葉とは裏腹に彼女は受け入れていた。  私はやがて、腹部から手を離し、後ろの方へやり、また摩った。触っている箇所は見ずとも背骨と脂肪の厚さの感触がありながらも胸から臀部の境目だと分かった。  彼女は眉を下げて、目を細めながら、甘い色気のある吐息と共に体を左右に捩れさせる。  ついに綺麗な曲線とその重みを五指で確認させていくと彼女は眠気で愚図る子供のような声を出す。  私はそんな彼女を尻目に抓んだり、摩ったりを繰り返す。  彼女は吐息を出したり、体を捩らせるだけだったが、二分程経ったところで私の右頬に口付けをした。 「手つきがいやらしい」  彼女はそういって、私の右胸を鷲掴み、左の耳たぶを唇で喰み、チュッチュと音を鳴らせる。  更に彼女は私の左太腿を自分の両足で挟むようにして、臀部から押し付ける。  黒髪とは違う感触と開かれた秘貝の感触がしたと思えば、彼女は体を揺らし始めていた。  お湯が冷めた頃にはお互い一頻り愛ていた。  私は彼女に「そろそろ出ようか」と言うと彼女は首を縦に振り、左頬に口付けして言った。 「焦らし過ぎ」
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