1人が本棚に入れています
本棚に追加
告白
そうこうしている内に、1か月の時間が過ぎた。
確かに、2週間前に駅前の道で車の運転ミスで事故があったが、たまたま人がいなかったために、運転手の人が軽くケガをしただけで済んだらしい。
私はというと、家でじっとしていた為に、ピンピンしている。
そして、肝心の圭司とはと言うと…。
なんとなくぎくしゃくしている。
というのも、私が告白しようとしてはやめてを繰り返して逃げて回っているからだ。
我ながら変な所でチキンだなと思って落ち込んでいる。
それでも、もうこんなのは終わりにしなくちゃいけない。
未来から来た圭司はきちんと好きだと言ってくれたんだ。
彼にできて私にできないわけない。
「あ、圭司。」
学校の帰りに彼とばったり会った。
私はコンビニでも行こうかと思って、いい加減な格好をしている。
圭司は野球部で遅くまでしごかれてへとへとっぽい。
それでも、周りに人がいなくて今がチャンスかもしれない。
「あ、あのね。」
私は思い切って声を出す。
「なに。」
圭司は不思議そうな顔をしている。
彼はちっとも悲しそうじゃなくて、それが嬉しかった。
「私も圭司のことは過去に戻って助けようと思うぐらい好きだよ!」
こうして私の一世一代の告白は、恋人になった圭司に「なんだったの、あの告白。」と時々からかわれた。でも、幸せだから許してあげよう。
最初のコメントを投稿しよう!