不安な気持ち

1/1
前へ
/4ページ
次へ

不安な気持ち

その日の夜、私はものすごくベッドの中でも悶々とする羽目になった。 だって、そうでしょう? いっそ、振られちゃえば、泣くだけ泣いてスッキリできたのに…。 なんなんだろう。未来から来たって。 それは変な冗談だったとしても、先生が事故に巻き込まれるって言ってた…。 そんな酷い嘘を吐くやつだったっけ。 そんなことを考えながら私は眠りに就いた…。 しかし、次の日に本当にどしゃぶりの大雨が降ったのだ。 「ま、まさかね…。」 ただの偶然だろう。 そう私は片づけて、学校に急ぐことにした。 きちんと圭司と話をしないといけない。 なんであんな嘘を吐いたのか、私をどう思ったのか。 「あの、圭司はどこにいるの?」 私は隣のクラスを覗き込んで聞いてみた。 彼は私の隣のクラスなのだ。 どうせなら同じクラスがよかったのに、っとそれはどうでもいいんだけれど。 「ああ、あいつはなんか風邪引いたみたいで休みみたい。」 彼と仲のいい男友達は答えた。 「そ、そっか。ありがとう。」 なんか、一気に拍子抜けした。 ふらふらと自分のクラスに戻って席に着く。 これからどうしようとぼんやりしていると、がらりと扉の開く音がした。 そこにいたのは、副担任の中岡先生だった。 いつもだったら、朝のホームルームは、担任の山川先生なのに。 「はい。静かにしなさい。山川先生は今日はお休みだ。だから、今日は私が代わりに朝のホームルームを行う。」 そう中岡先生が言うとクラスが一気にざわざわしだした。 それもその筈、担任の先生が休むとなれば、ちょっとした事件だ。 私は急速に嫌な予感がして、体が冷えていくような気がした。 「先生はなんで休みなの?ずる休み?」 そんな風にお調子者のクラスメイトが聞いた。 すると、中岡先生は呆れたように、 「そんなわけないだろう。出勤中に事故にあわれたそうでな。万が一のことを考えて、検査入院されるそうだ。何事もなかったら、近々出勤されるだろう。」 そう、あの未来から来たという圭司の言葉は全部当たったのだ。 その日の放課後、私は図書館に行ってみることにした。 だって、あんまり気になっていたのだ。 すると、当然のように圭司は図書館で待っていた。 「来てくれてよかった。」 ちょっと彼がほっとしたように言うから、少し警戒心が緩んでしまった。 「あなたの言ったことは当たったよ。その…。本当なの?」 恐る恐る私は聞いた。 ここで全部嘘でしたと言われたら、思いっきり怒って仲直りして、おしまいにできるのに。 しかし、彼は私の期待を裏切ってそうだよと頷いたのだった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加