1・走り回る犬は骨を見つける
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1・走り回る犬は骨を見つける
もう、なりふり構ってはいられない。 素っ気ない白いドアの前で、
詩鶴
(
しづる
)
は下ろした両の拳をぎゅっと握った。 不安は、あった。 でもこれは、ただの未知のものに対する不安。別に命を取られる訳じゃない。 進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。 昔の偉い人も、そんな事を言っていたじゃないか。 そう自分を奮い立たせて、そのドアを開けた。
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