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「お待たせ、しましたっ」
いつの間にか俺も息が途切れ途切れになっている。
また水を貰いたいくらいだ。
それでは悪循環ではないか。あの時はたまたま水が戦争で輸入されてこなかったから仕方がない。今日を耐えればまた水は来るのだ。少しの辛抱。
「承ります。……おや?」
「な、何か?」
「もう、お湯じゃないですね。これ」
「え……?」
「と言うことでじゃあ担保の命を頂きますね」
「あ、ちょっと、この件は水に流してもらえ──」
俺の目の前は暗くなった。
「これでまた経営が続けられます。ありがとうございました。輸入止めるのに結構出費が痛いな……」
そう言いながら彼は水を捨てた。
お後がよろしいようで……。
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